「 風に乗って 」 №2

一駆

2007年10月17日 11:46

◇ 熊本のギャラリー ◇ 10月のコラム(連載)より

 サイクリング倶楽部「一駆」の誕生~№2

次の日の夕方いつものように会社帰りに寄ってみた。
「こんにちは、」
「いらしゃーい。今日は、早いね!」と
お冷とお絞りをいつもの口調で私の前に置いてくれた。

「ママさん、みんなは、まだ、来てないの?」
「もうそろそろOさんが来る時間ね」そんな他愛無い話をしていたら、Oさん、Hさん、Mさんと姿を見せ始めた。
いつものメンバーでカウンターが占められ、当たり前のように昨日の話の続きが始まった。

「Mさんが、自転車を買ったそうよ」と皆に聞こえるようにママさんが説明をしている。
中々いい自転車のようで、サイクリング専用車をクシ自転車のオーナーが進めてくれたようである。
すると、Mさんの口から「ママもハヨウー買わんねぇー」「エー、でも結構な値段がするでしょう。
そんな高い自転車なんて買えないもん」と色々言い訳をしている。

 多分、本人は、参加するつもりはないようで、世話をしているだけがいいのだろう。
すると、いきなり、マスターが『お前、いろころ言わずこれで自転車を買え』と一万円札をママさんに差し出した。
さすがマスターだ。ママさんも三万円ぐらいはあると思ったらしくニッコリ。

突然「これじゃ自転車買えないじゃん。」とマスターに文句をいい始めた。
手にしていたのは、一万円札一枚。皆の笑いが溢れた。
カウンターを乗り越えんばかりに身を乗り出して、Oさんが「ママさんこれで自転車の内金ができたでしょが。
あとちょっと出せば買えるよ。」今度は、Hさんまで「アータが行かんと行かんバイ、事務局なんだけん。」
「そんなら、Hさんも参加よね。」「メタボな僕ちゃんはノーコメント。」
「ノーコメントってあるね!、Hさんが、マークやシャツを作ったのだから参加しなきゃダメよ。」
他にもママさんが誘ったのだろう、次から次へ参加者の名前が挙がった。

 まぁーこんな訳で会員九名、顧問九名の自転車サイクリング倶楽部「一駆」が誕生した。
五月第二日曜日に一回目の走行会を上熊本~植木までの自転車ロードを走ることになったのである。

               
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